妻が正社員を退職して夫の扶養に入る手続

退職したら、他の会社などへ転職して就労しないので、夫の扶養に入ることになりました。
一言で「扶養」と言っても、色々あります。

私と同じように、共働きのどちらかが会社を辞める人のために、退職に伴う扶養の手続きや条件について整理しておきたいと思います。

扶養には2種類ある

扶養には、以下の2種類があります。
(1)社会保険(年金を含む)の扶養
(2)税金(所得税など)の扶養

(1)社会保険と(2)税金は、扶養に入れる条件が違います。全く異なるもの、と理解したほうが良いと思います。これは、管轄する機関が異なるためです。
(1)社会保険の管轄は厚生労働省であり、(2)税金の管轄は国税庁です。

以下に管轄が詳しく説明されています。詳しく知りたい方は以下のサイトで確認すると良いと思います。
http://www.shakai-hoken.jp/article/oyakudachi/syaho_state/

妻退職時の社会保険の扶養条件と手続

色々なサイトを見てみると、社会保険と税金の扶養を同列に扱って説明されていますが、重要度が全く異なります。
正社員を退職する妻にとって、重要なのは、まずは(1)社会保険ですね。(2)の税金については、極論すればどうでも良いです。

社会保険の扶養とは

社会保険とは、企業に勤めている人(正社員)が、勤務先を通じて加入する健康保険と厚生年金のことです。

なお、夫の社会保険の扶養に入れなければ、以下の選択肢があります。
A: 妻自身が勤務していた会社の健康保険を任意継続する(私の場合は月額3万~4万円)
B: 国民健康保険(費用は地方自治体で異なる)

夫の社会保険の扶養に入れるなら、社会保険(健康保険と年金)は、無料になります。

※無料とは、年金は、勤務中は厚生年金(第2号被保険者)になりますが、夫の社会保険の扶養に入ると国民年金(第3号被保険者)に自動的に切り替わり、保険料の納付は不要になる、という意味です。

社会保険の扶養の条件とは

・年間収入130万円未満

※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)
また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので、ご注意願います。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/hihokensha1/20141204-01.html

つまり、例えば2016年3月末で退職する場合は、2016年1月~3月分の給与収入が合計130万円を超えたとしても、4月以降の収入が130万円未満であれば、夫の社会保険の扶養に入れるということになります。

妻退職時の税金の扶養条件と手続

妻にとって、税金(主に所得税)の扶養というのは、社会保険の扶養に比べると、金額的に小さな問題だと考えています。

所得税の扶養の条件を満たせば、納付税額が小さくなるというメリットがあります。

わかりやすく説明すると、妻の収入がない(少ない)世帯は、夫が納付する所得税の金額が小さくしますよ、ということです。

いわゆる配偶者控除と配偶者特別控除のことです。

妻が103万を超えないように働く(扶養内で働く)など聞いたことがありますが、もし超えたとしても、税金の扶養には入れます。配偶者控除から配偶者特別控除へ適用が変わるだけです。以下に説明します。

ただし、妻の収入(自営業の場合は所得)が130万を超えると夫の社会保険の扶養からや外れるといことになります。

配偶者控除

国税庁のサイト(No.1191 配偶者控除)によれば、配偶者控除の条件は、以下になります。

年間の合計所得金額が38万円以下であること。
給与のみの場合は給与収入が年間103万円以下

例えば、夫の年収が600万の場合は、所得控除があるので課税所得が約440万くらいになります。

所得税額は、収入-所得控除で算出された課税所得額から計算します。

所得控除には扶養控除など14種類あります。
(参考 国税庁サイト:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)

妻が正社員(子供が小さい)の場合は、適用される所得控除の種類は、この4つくらいでしょうか(人によります)。
(1)医療費控除、
(2)社会保険料控除、
(3)生命保険料控除、地震保険料控除、
(4)基礎控除

もし、配偶者控除がある場合は、課税所得額からさらに(5)配偶者控除として38万円引かれるので、
440万-38万円=402万円(配偶者控除がある場合の課税所得)
402×0.2-427500円=37万6500円
参考:http://stitchdiarystitch.blog.fc2.com/blog-entry-55.html

課税所得額 × 所得税率 × 1.021(復興特別所得税) - 控除額 = 所得税

なお、課税所得と所得税率、控除額の関係は以下の表のようになります。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円~330万円以下 10% 97,500円
330万円~695万円以下 20% 427,500円
695万円~900万円以下 23% 636,000円
900万円~1800万円以下 33% 1,536,000円
1800万円~ 40% 2,796000円

妻が正社員を退職して、夫の収入に対して配偶者控除が適用されれば、年間の約11.3万円の所得税が減るということになります。
(逆に言えば、配偶者控除により年間の夫の手取りが約11.3万円増える、ということになります。)

配偶者特別控除

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm
配偶者特別控除の控除額は最高で38万円ですが、配偶者の合計所得金額に応じて控除額は、次の表のようになります。

妻の所得が38~76万円の場合は、夫の所得税を段階的に安くしますよ、ということですね。

配偶者の合計所得金額 配偶者特別控除の控除額
38万円を超え40万円未満 38万円
40万円以上45万円未満 36万円
45万円以上50万円未満 31万円
50万円以上55万円未満 26万円
55万円以上60万円未満 21万円
60万円以上65万円未満 16万円
65万円以上70万円未満 11万円
70万円以上75万円未満 6万円
75万円以上76万円未満 3万円
76万円以上 0円

正社員妻退職後の夫扶養に入る場合のまとめ

1.共働きの妻が正社員を退職して、夫(サラリーマン)の扶養に入る場合には、社会保険と税金の2種類がある。

2.税金と社会保険の扶養の両方に入るためには、退職後に年間収入が130万を超えてはならない。自営業の場合は所得(収入-経費)が130万を越えてはならない。

3.税金の扶養とは、夫の所得税が安くなること。妻の年間所得が38万円以上~76万円未満なら配偶者特別控除により、夫の所得税に関して節税になる。妻の年間所得が38万円未満なら、最大の配偶者控除が受けられる
(例:夫の年収600万の場合は、最高で約11.3万円の所得税が減る)

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